2018年4月25日水曜日

「帰郷」

「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし十五の心」という啄木の短歌がある。大好きなこの短歌の碑が、岩手の盛岡城跡にあった。ノリオは15歳の少年期、城跡のこの碑の側で、寝ころんで空を仰ぎ見たものだった。「俺は高校には行かない、東京に行く!」そんな風に考えていたのかもしれない。とにかく思い出の歌であり、思い出の場所なのだ。

盛岡城跡を訪ねることもスケジュールの中に入れ、昨日、一昨日と郷里、岩手に行ってきた。主な目的は墓参りとお寺に立ち寄ることだったが、今回はあえて少年期の思い出に触れる旅にしてみた。そう、生まれ育った場所、中学校跡地、同級生、満開の桜・・・

盛岡から矢幅という町まで東北本線を使った。新幹線を降り、在来線に乗り換え、トイレは次の電車でと思っていたら2両編成の電車で・・・扉を開けるタイミングがわからない~とか。あの頃、東北本線に乗り上野まで鈍行だと14時間ぐらいかかったような気がする。2両編成なんて、山奥を走る地方の話だと思っていたら、ここもちゃんと地方だったのだ(笑)

駅まで中学の同級生が迎えに来てくれた。その後何人か合流してノリオの思い出の場所を回ってくれた。町並みは変わりすぎて殆ど面影はない。中学の跡地は懐かしかったな・・・何年か前、息子がこの中学の跡地を訪ね、グラウンドを走ったそうだ。「パパの気持ちになって走ってみた」とメールが来たのだが、本人とこの話をしたことはない。中学時代の思い出というより、そこに息子が走っている姿が浮かび、感情の整理が難しかった・・・な。

何で息子にもっと優しくしてやれないのか・・・

夜は?もちろんよく飲んだ。合計8人の「うた仲間」と化したのだが、ノリオ以外は皆女子。本人たちが「美女軍団」と言っているから、敢えて否定はせず(笑)

翌日、レンタカーで墓参りと寺の挨拶を済ませ、盛岡城へ向かった。啄木の碑の側で寝ころんで空を仰ぎ見る!予定だったのだが、雨ふりやまず・・・盛岡城の周りを車でぐるっと回り、結局諦めた。上京して50数年、ふるさと矢幅の景色は変わってしまったが、思い出の匂いに似た風は、確かに故郷の風だった。

2018年4月10日火曜日

「普通という定義」

先日の日曜8日に娘から声がかかってランチを共にした。だんだん自我が芽生えてきた孫はこの日で1歳4か月。あれからもう1年と4か月?などと二日酔いの胃袋をごまかしながらせっせとランチ。

9日に息子がチェコへ旅立つものだから、7日の土曜の夜は息子を誘って飲みに出かけ、鮨屋、バー、3件目がゲイバーとはしご。息子は殆ど飲まないから付き合うことがしんどかったと思うが、ワシはよく飲んだのだ。3件目などいくら支払ったか定かではない。家に帰ってどんぶり飯に納豆をかけて食ったそうだが、そんなこと記憶にもない(笑)

だから、ランチ時の胃袋は、二日酔いというよりも寝る前の大食いのせいだ、という話を聞き一件落着。ランチを誘われたときは一瞬「まいったな」と思ったのだが、孫に会える!という現実を優先。さすが翌日曜は飲まなかった。

で、昨日の夜息子を成田まで送った。就職のためチェコに向かったのだが、別れ間際に「卒業式は6月21日だから。予約しておいた・・・」だと。大学院はイギリスだ。6月21日・・・う~ん、何か大切な仕事と被っている・・・と思い今日会社で確認したら確かに被っている・・・どうするか・・・

自分が走ろうが歩こうが、時間は同じスピードで過ぎてゆく。何を「満足」と捉え何を「不満足」と捉えるのか、どちらに転んでも時間は同じように流れていく。会社の25年も己の67年も、人々と同じ時間の中にあったのだ。何を言いたい?今日主治医のところで注射を打った。何のために?心の健康が欲しいから。気休めのような気もするのだが、安心もする。

そうそう、先日息子が「普通の定義って何?」と強い口調で口走った。なんだろうね。

2018年4月5日木曜日

「4月5日 25周年 創立記念日」

前回の投稿が2月24日だから、長い間何をしていたんだ・・・?と思う程間が空いてしまった。大抵年度末近くになると、なんやかんや考えすぎてボーっとしているもんだから。で、今日は25年目を迎えることになる創立記念日だ。それを思い出したのが昨夜。慌てて昼飯用に少し高級な「釜飯」を注文した。そして社員に向けてメール。「万難を排して昼集合してください」。ほどなくメールが。「明日2人は収録でスタジオ、誰誰は編集室・・・前回会議でお話ししました・・・」とか。沈没・・・

息子が今帰国している。大学院の卒業が決まり、就職先として「チェコ」という国を選んだそうだ。直行便の無い国だ。行けないなぁ(苦笑)

先日久しぶりで作曲家の「浜圭介」さんと飲んだ。彼は6年ほど禁酒していたから、飲んだのは本当に久しぶり。5時30分に待ち合わせをしてまず食事と酒。そのあと近所のバーでひとしきりウイスキーを飲み盛り上がる。帰ろうかな、と思ったら「飲もうよ」。新宿方面に向かい3軒はしご。さすがくたびれて帰ると告げたのが午前1時30分。先生、「俺あともう一杯飲んでいくから・・・」。本当に6年も禁酒していたのか?(笑)

会社は25年目を迎えた・・・長い道のりを歩いてきたものだ。東京に出てきたのが15歳、6月には確か68歳になる(苦笑)。浜さんは4月いっぱい海外に居るが「海外に居ると何も考えなくていいから・・・」の一言に大きく納得。俺は仕事をやめない限り、一か月も海外にいることはできないだろうけどね。